さもない日々の暮らしの中で ・・・  danslavie.exblog.jp

さもない日常の中で、出合ったこと、気になること、感じたこと・・・。


by CK_centaurea
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ねむの木のこどもたちとまり子美術展 2007年6月6日

e0057640_12452515.jpg「やさしくね やさしくね やさしいことは つよいのよ」 まり子

「耳にしたり、目についたりするのはこどものいじめとか、自殺です。遺言なんか、かいたって駄目よ。いじめるのは、淋しいからなの。自殺って、強がってるの。駄目よ。ねむの木学園のこどもたちって、病気にいじめられて、手や足が、不自由になったりしたのを、のりこえたから、やさしいの。そんな大切な命だから、絵をかくの。それは、強いから。だから、いちばん高いビルの上から、やさしさをふりまくの。あなたにね。みんななかよく、うれしさをふりまくの。それが、私の願いであり、生きていることが、『うれしいの』。うれしさを52階から振りまきます。どうぞ、待ってます。あたし、待ってます。みんなで、コーラスも、しますね。」  四十年を迎えて 宮城まり子


 上の言葉は、ねむの木のこどもたちとまり子美術展の案内に書かれてある「ねむの木学園」主宰者の宮城まり子さんのメッセージです。
 日本初の肢体不自由児療護施設である、ねむの木学園。今年で40周年を迎えることを記念してこの美術展は開催されています。

 「ゆみこの世界」「としみつの世界」といった風に、こどもたちの作品の横にまりこさんからのメッセージが添えられています、この美術展は構成もまり子さんがされていて、作品の展示がとてもセンスのよいのに、先ず驚かされます。
 そして、添えられたメッセージの温かさに心を打たれ、こどもたちの作品に心を奪われます。感動の涙は、こどもたちの不幸のためではありません。ねむの木学園のこどもたちは不自由さはあっても不幸ではないと思います。
 「きよみの世界」では、「あなたは、お父さんやお母さんのせいでもだれのせいでもなく、胎児性軟骨異栄養性という病気なの。あなたの病気は背はのびないの・・・」と、きよみちゃんに真実を告げ、フランスのロートレックが男性で1メートル38センチしかなかったけれど、街の人を愛し、美しい心を愛し、絵を描いたのよ。世界で一流の画家になったのよ。と、話し、まり子さんも女優として小さくて子どもの役が多かったこと。小さいことははずかしいことではなくて、それに勝つ心が大切なのだと話しながらきよみを抱きしめたことが書かれていました。
 大胆な絵、やさしい絵、緻密な絵、色の使い方が素晴らしい絵・・・それらに添えられたまり子さんのメッセージには、その子どもとの出会い、話したこと、旅の思い出などが綴られていて、魂をゆすぶられます。
 何時間も費やして緻密な絵を描くことは、誤解を恐れずに言えば、それ自体が病気なのだといえるかもしれないけれど、それも個性、肢体が不自由なのも個性、全てをそのこどもたちの持つ個性だと捉えていとおしく抱きしめるまり子さんの思いが、展示場の空間に溢れていました。
 天才レオナルド・ダ・ヴィンチ、巨匠クロード・モネもこどもたちの絵の前には色あせて見えるほど、鮮烈な印象を与えてくれた美術展でした。
 
 ねむの木学園のこどもたちは幸せです。溢れる愛の中で抱きしめられながら、教育を受けられるのですから。でも、それが、各家庭で、市町村の学校で行われることが、ねむの木学園にこなくても、ねむの木学園と同じような教育を受けられることが、お父さんやお母さんに抱きしめられて育つことが、まり子さんの一番の願いでしょう。

 宮城まり子さんの著書「神さまにえらばれた子どもたち」(海竜社)の帯に、次のようにありました。

「教育ってかいて、こころって、ふりがなをつけます。文化とかいて、こころって、ふりがなをつけます。人間とかいて、神様にえらばれた子とよみます」
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by CK_centaurea | 2007-06-13 12:49 | 絵画・美術館