さもない日々の暮らしの中で ・・・  danslavie.exblog.jp

さもない日常の中で、出合ったこと、気になること、感じたこと・・・。


by CK_centaurea
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ローザ・パークス物語

  海外ドラマの録画を今日やっと観ることが出来ました。
「ローザ・パークス物語」(12月10日、NHK総合で放映)
  このブログ(カテゴリ=新聞記事から)で取り上げた「いいなりにならない勇気」のローザ・パークス(1918年~2005年10月24日 92歳没)の物語です。
  彼女の勇気は子どもの頃から、祖父や母の言葉によって育まれてきたものだということが、よく分かりました。勿論、彼女自身の感性がそれをさらに育てたということは否めないことですが・・・。


e0057640_1681268.jpgローザ・パークス物語
  ところはアメリカ南部。転入先の小学校には白人の女性教師がいた。ある日、テストの解答用紙を集める時に、同級生が自身の解答用紙を破り棄てる。教師はその女生徒にテストが出来なかったのか、と問いかける。その生徒は「読み書き計算をして何になるの?私たちは洗濯や赤ちゃんの子守りだけなのに・・」と疑問を投げかける。彼女の疑問に答えられる人は?との教師の問いに、ローザは答える。
  「勉強をするのはみんなと平等になるため。やる気があれば何でも出来る。同じ人間に上も下もない。女も男も、白人も黒人もない。他人はお前の全てを奪える。命もだ。でも人としての尊厳は誰も奪えない。それを奪えるのは自分だけだ・・・と、おじいちゃんがよく言っていたことを私は信じている」。
  教師は「みなさん、学校で習ったことを全部忘れてしまっても、今、ローザが言ったことは全て覚えていて下さいね」と生徒たちに話す。
  成人したローザはデパートのお針子として働くうちに理髪店で働くレイモンド・パークスに熱心に求婚され、結婚。ささやかながらも幸せな日々を過ごす。

  当時のアメリカ南部は、公園の水飲み場やバスの昇降口や座席までも白人専用と有色人種用とに分けられていた。靴を買うときには試し履きすることができず、足型を書いた紙を持参して買物をしなければならない。もちろん、選挙権もない。ほしい場合は白人とは違う面倒な手続き(勉強)が必要で、しかも記述に間違いがないにもかかわらず、役所の白人女性は「No」と言い、申し込用紙を受理しない。そんな時代であり、地域であった。

  ある時、同級生ジョニーがNAACP(全米黒人地位向上協会)で働いていることを知ったローザは、自らもボランティアで働き始める。1955年、ローザは満席のバスに乗ってきた白人のために、席を譲れと命令した運転手に対して、その指示に従わなかった。そして、「警察をよぶなら呼べばいい」と頑固拒否した挙句、逮捕されてしまう。しかしこれに対して、キング牧師を中心に、モントゴメリーの街中の黒人が立ち上がり、黒人の自由と平等を求めたバス乗車ボイコット運動がはじまった。そのことにより、ローザ自身にもまた家族にも圧力や脅迫が相次ぐ時、ローザもレイモンドも職を失う。
  そんな中でフト、彼に捨てられるかもしれない・・と悩んだ彼女は母親に愚痴をもらす。
「運転手に、逮捕させるように言ったのはこの私だもの」
「自分のしたことを取り消したいわけ?」
「分からない」
「どうして?分かるでしょ。お前はね、今は自分のしたことを後悔しているけれど、同じ状況になったら必ず同じ事をする。自分でもどうしようもないのよ。お前はそういう娘(こ)なのよ、ローザ。何を迷うの?私は神様にいつも感謝しているわ。お前がそういう娘なのを」

  市営バスのボイコット中、乗合バスを待つためのバス停。
  ローザのしたことでバスをボイコットするはめになったことに不満を持つ若者と足の悪い老人の会話を黙って聞いているレイモンド。
「抗議運動なんかしても何にもかわらないよ。世の中なんか変わらないじゃないか」
「わしも疲れたよ」と老人。
「ほらね。オレだけじゃねぇよ」
「この足はもうボロボロだ。お前には想像もつかないほど、長い長い道のりを歩いてきたからね」
「そうか、オレだってかなり歩いたさ」
「魂が辛いんだよ。もうイヤだ。人間らしく扱って貰えないのなら」
「そうだよな。言うことはわかるよ」
「イヤ、分からん。お前にはちっとも分かっていない。ローザがあのバスで言ったことを分かっておらんじゃろ。だがな、わしにはよーく分かる。わしは必要ならいつまでもバスに乗らずに歩く。いつまでもバスに乗らずに歩き続けるよ。確かに足は疲れちゃいるが、でも、魂は安らかじゃ」
「そうよ、足なんか疲れたって我慢できるわ。私たちの子どもや孫のためにあるいているんだから」と傍にいた婦人。
いつまでも乗合バスがこないので荷物をもって杖をつきながら歩き始める老人の後を、若者が「荷物を持つよ」と追いかける。その横をガラガラの市営バスが通り抜けていく。

  自宅に戻ったレイモンドは、疲れて眠っているローザの傍にすわり、いとおしそうに妻の寝顔を見つめる。目を覚ましたローザに彼は言う。
「出会った最初から、分かっていた。君はモントゴメリを、いや、南部全体をひっくり返す人だって。君がバスでしたことはいろいろなことを変えてしまった。みんな自分について考え始めている。人をどう扱うべきか。人生をどう生きるべきか・・・」

  1956年11月。連邦最高裁は「人種隔離政策」を違憲とした。
ローザとレイモンドは1977年レイモンドの亡くなるまで夫婦仲睦まじく暮らした。


  2005年10月24日、ローザは92歳でこの世を去った。
  たった一人の、たった一言で世界を変えることが出来る火種になる。と、このローザ・パークス物語(ノンフィクション)は教えてくれる。
  私の周りでも〝差別〟というような大きなことでなくても、理不尽な事柄がまかり通っている状況がよくある。馴れ合いの和であったり、仲良しごっこはいらない。私は、NO!というべき時にはNO!と言い続ける。
  数ヶ月前、「身内を庇うのもいい加減にしなさい。事実をはっきりと見据え、受け入れなさい」というようなことが私の周りで起こった。人権を擁護しなければならない組織に於いて、人権侵害が起こったことを、長は「人権侵害やいじめという言葉は言い過ぎだ」と言う。身内でそのようなことが起こったことを受け容れ難いのはよく分かる。しかし、言い過ぎでも何でもなくそれは「事実」なのだから、そのことを真摯に受け止めて欲しい。肝心なのはその後の対処の仕方なのだから・・・。

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by CK_centaurea | 2005-12-13 16:14 | 映画・DVD・TV・演劇